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兄妹v姉弟 作品 ≪小説≫
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●途中下車 ●避暑地の猫 ●この愛のすべて
◆氷点 ◆おとうと ◆百日紅の咲かない夏
●山椒大夫 ●焚火の終わり ●マリア様がみてる
◆ルート225 ◆その妹 ◆屋根裏部屋
●幕間 ●哀しい予感


01
途中下車
高橋文樹
幻冬舎
兄妹(実) らぶらぶ
4
突然両親を亡くした大学生の兄と高校生の妹。
2人は、互いを愛することで悲しみを癒すことを知る。
他人である恋人との関係は劇的に始まり劇的に終わるが、
妹との関係は自然に始まり自然に続いていく… 文庫版が発売されました。
表紙の妹イメージが一新されていて、驚き嬉しいです。まだ買ってはいないのですが、巻末に大幅な加筆修正とあったので、後日読み比べて感想を書いてみたいと思います。
  一番好きな兄v妹ものです。萌えとかそういうのがあまりなくて現実味があって尚且つ二人の気持ちがとってもピュアというか。
  父親が母親に送った指輪にフランス語で「君は僕の光だ」って書いてあって、妹が「何て読むの?」って聞くのに対して兄が「君は僕の光だ・・」って云うシーンがびくりんとします。父→母、兄→妹 って男女愛の掛けかたが遺伝してるというか。。さすが血が繋がっているというか。もうあれでキューン。。
  あと、外国語の訳をした時の態度の対比に、いかに兄が彼女さんより妹のほうを大切にしているかっていうのが分かります。彼女さんがとある英語の訳を「●●より○○のほうがいいと思わない?」というのに対して、どーでもいいよという態度をしているのに、妹がとあるドイツ語を「◆◆より◇◇のほうがいいと思わない?」と聞いたらあっさりと納得して妹の感性を褒めた兄。こういう見えないところに、妹への情が表現されているなぁと。(彼女さんへの態度と比較して描かれているのがミソ)
  激しい表現は何一つなく、ひとつひとつ静かな描写ばっかりなのに、物語全体から、兄の妹に対する強烈な愛おしさが漂っていて、それが何とも言えません。露骨で情熱じみた表現がないだけにそれがかえってスピリットが強調されているように思います。それもこれも、純粋な愛ゆえのものだからなんだなあ。。きっと。邪な気持ちがないからこそピュアな雰囲気が漂っているんだなぁって思います。
  ・・・本当、装丁なんとかしてほしいですTT 千矢ちゃんと意見一緒ですよ・・しくしく。茶髪シャギーヘアーセミロング赤いミニスカート → 黒髪ストレートロングヘアー紺色のロングスカート。にして欲しかった。あれじゃ全くイメージと逆だよ・・(涙  この本のピュアリティが台無し!!

  ついに…! ついに出逢ったのね、こういう話に!! 現実チックハッピーエンドですよ!もう読み終えた直後から私の中で、半バイブルと化してます。  作者が同い年なので(!!)、どういった過程でこういう話を考えるに至ったのかとか、家族構成がどうなってるのかとか(がいるのかとか)、君も仲間なのかとか、是非ともお話を伺ってみたいです。(興味津々)
  ちょっと二言三言だけ言わせてもらうと…。 別にバレずにあのままあの生活でもよかったのでは…と。(だって妹が可哀相なんだもん。) でもあれがあったからこそ、より兄→妹の憐憫愛が深まって、「二人」だけで生きていく絆の強さになったのかな…とも。 あと、兄(高1)妹(小6)までお風呂が一緒っていうのは「普通」ではないですよ、お兄さん!自覚足りませんね。(笑)  そして、表紙…。黒髪ならまだしも… 全然違うよ!そういう話じゃないのよ!!もっともっと純粋素朴な愛の話なのよー! 偏見ですか?(涙)
  個人的に、 「駄目だ。家でいいだろ。」…という台詞がたまりません。 この「家」っていうのは、きょうだい(家族)間でしか使えない言葉なんですよね…。 「部屋」でも「“○○の”家」でもなく、一言、「家」だけで自分たちの場所を表せる。  二人の関係を上手く象徴している台詞だと思います。
  …感想、落ち着いていますが、ひかえめにいって萌えつきました。
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02
避暑地の猫
宮本輝
講談社
姉弟(実) どきどき
明→暗 2
軽井沢の別荘の地下。別荘番の息子修平が、そのおぞましい真実を知ったのは17の夏。 別荘番一家と、主人一家が17年間抱え込んで来た「魔」は、急速に結末へと集結する。

「ぼくは物心がついてからずっと無意識のうちに、 母を聖女として慕い、姉を恋人として愛し、父を弱者として蔑みつづけてきた。」

  作品に染みている、秘密めいた怪しい雰囲気がたまらない。大好きな本です。 クールビューティーな姉を弟が慕うんだけど、姉の方が一枚上手、のパターン。 この姉弟には「らぶらぶ」までいって欲しかったのに! 姉弟v的に全然ハッピーエンドじゃないんだけど、それでも納得してしまうのは姉のせいです。
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03
この愛のすべて
ジャネット・ヘイン
中央公論社
兄妹(実) らぶらぶ
2
実の兄妹でありながら夫婦として暮らしてきたことを、神父に告白する老女の話。
  酒乱の父親から逃げるようにして、とある村にて2人で暮らしてきた兄妹。 男女愛の末に結ばれたわけではなく、父親という共通の恐怖の対象から、 共に助け合おう支え合おうとしてお互いにすがりついたふたり。 男女愛を表すような描写がなく、あくまで支えあっていた、という事が強調されています。
  老女(妹)は夫(兄)が死んだのをきっかけに神父に全てを告白するのですが、 段々とその話を聞いていくうちに神父は老女に惹かれ、 亡くなった夫である彼女の兄に微嫉妬するところが印象的。 ほのかにシルバーラブを匂わす不思議な読後感があります。 あくまで淡々としていて静かな印象がイイですね。

  兄が「夫婦です」って言った時、妹は嬉しかっただろうなぁ〜。
妹が怒ったのは、神父が男女愛のものと決め付けて訊いたからで、 私は、あれ以後も関係していたと思います…。 あくまで男女愛ぬきで。
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04
氷点
続 氷点
三浦綾子
角川書店
兄妹(義) なかよし
明→暗 4
自分の娘を殺した殺人犯の娘を引き取った夫婦。 1966年から今まで何度もドラマ映画化。最近のものは
2001年(『氷点』部分のみ。)
2006年前後編のスペシャル(原作最初から最後まで)
私の兄v妹の原点。目覚め。
  兄の「兄→妹」発言(名台詞)が唐突で、驚きました。と、同時に、ときめきました。親に公言してるんですよー! 「兄v妹」界、狭しといえども、あんな優しい兄、なかなかいないよ!?
読み進めて → 兄妹エンド決定ぽい♪ → Σ(´゜゜) えっ
⇒ Σ(T ■ T) えええーっ
どうして最後がああなのー!?(悔やし泣き)  これだけ心底悔しい話も、そうありません。悔しすぎて、もう読み返せません。。。T皿T 兄v妹両想いなだけに、ハラワタ煮えくり返るくらい悔しい。お兄さんが可哀想で可哀想で……TT TT
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2006年ドラマ感想  (超ねたばれ注意)
  原作を読み返してないので断言できませんが、時代背景作りや話の流れはかなり原作に忠実だと思います。満足できるつくりでした。 辻口のお父さん(を取り巻く人間関係)がグッと来ました。松崎さんとか…!TT
  小さい頃の兄妹シーンが良かった^^* 兄妹シーンについては、結末を知っているので、最初から涙なしには見られません。お兄さんがかわいそうでかわいそうで…ぼろ泣きしました。
  お兄さんの原作最後の台詞がなかったのが残念。いえ、それ以前に展開が残念なんですが。この最後の台詞がね…もう悲しすぎる。 なんかね、死別とかじゃなくてこういう意味で、ここまで妹につらい失恋をした兄っていないんじゃないでしょうか。
  両想いだって判ったのに。あんなことさえ起こらなければ、もうすぐに二人幸せになれる予定だったのに!!…彼女が決めた相手は自分の信頼している親友。そして彼と彼女を会わせたのは自分。彼は怪我をして自分は無事だった。  この二人なら幸せになるだろう。…だから、僕はもう二度と会えない。一生会わない。

  …なんか絶対言ってはいけない不満が出てきてしまいました。→  あ゛あ゛あ゛あ゛怪我なんかなければー……!!!!  北原さん… 兄の気持ちも痛みもそんなに判って思いやれるんだったら、身を引いてくれと。徹はね、兄妹小さい頃からずっと一緒にいて20年以上も妹を想い続けて来たのよ!(それをポッと出のあなたに…`■´) 妹と結婚するって、少年時代と青年時代の二度も両親に公言したのよ。想いを叶えさせてあげてよー T■T  あんな状態の人を陽子が放って置けるはずないじゃん。という点でずるいよね。彼は左足と引き換えに陽子の愛を手に入れたんですよ。怪我をしたのは誰のせいでもないんだけど!←ここがやるせない。  →陽子… 肝心なところで心変わりするなと……
  お兄さんがもう少し積極的にアプローチしてたら変わったのかな。でもそれをするには、彼は優しすぎる…。 この兄妹がハッピーエンドのパラレル世界に行きたいです…… さめざめ

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05
おとうと
幸田文
新潮社
姉弟(実) ほのぼの
明→暗 3
無垢な弟が中学で不良にさせられ変わっていった。19の歳に結核で入院した。 溝ができても、姉弟の仲は変わらない。 冷えた家庭の中、弟を思ってあげられるのは、姉1人だけ。 純粋で深い姉弟愛の話。
  何か大きな事件を期待せずに淡々と読んでいくのがよいと思われます。 ラブな描写は皆無ですが、後半で弟が入院してからは所々にほのーかに弟→姉をにほわす出来事や会話があって、しんみり。  姉の花嫁姿を自分は見られないだろうから、島田に結って見せてほしいと頼むとことか。
  好きな人がいるかお互い訊きあう場面なんか、ついに来たかーってかんじv  この問いの答えは2人して、「ゐるやうな気もするけど、やつぱりゐない」んですが、 それってやっぱし、一番の気がかりはお互い同士ってこと…?v  きょうだい愛ってこんなものなのかなぁ…と、うなづいてみたり。
  姉は姉で、純粋に弟が気がかりで縁談断り続けて嫁き遅れるし。 どっちもどっちだなぁって… 微じれじれ?
  「溝」を越えて、ようやくお互い素直に優しくしあえるようになったのに…。
(こちら(2004/11/18)に感想。)
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06
百日紅の咲かない夏
三浦哲郎
新潮社
姉弟(実) どきどき
明→暗 3
別々に引き取られて育った姉弟。 10年後に再会して以来、週末になると弟が姉の部屋に泊まりに来るようになる。 やがて、互いに2人でいなければ生きられない存在になっていく…
新聞連載小説。
  レベルを「どきどき」にしたけど、嘘です。 この2人は、最後ぎりぎりまで、いえ、むしろ最後まであくまで純粋な「姉弟」であり続けたのです。
  私の中で、きょうだいでも一緒に育っていないと萌えないっていうのがあるのですが、 それは、いきなり出会うと「きょうだい」ではなく「異性」として意識してしまうからです。 そういうアリガチ擬似きょうだいラヴは大衆向けであり、純粋な「きょうだい萌え」の対象にはならないと思うのですよ。  でもこの姉弟は、お互い顔も判らないような再会で、普通なら「異性」と意識しそうなところを「姉弟」と意識し続けた。 そこが良かったんです。
  実際に出来事だけ見ると「ほのぼの」だけなんですよね、この姉弟は。 でも「雰囲気」を見ると、「なかよし」を通り越して「どきどき」になる。  弟が毎週末泊まりに来るけど、姉の部屋には布団が1組しかないので1枚の布団で寝てるっていう「出来事」。 でも、あくまで健全。ここが、「ほのぼの」だけど「どきどき」な最もなとこです。(他にもところどころあるんですが。)
  そんでもって、弟に窮屈させないようにと姉がもう一組布団を買ったら、 「眠りやすくなったはずなのに、なぜかお互い寝付けなくなる」んですよー!!(萌え!) この話の見所です。(断言)  その「なぜか」をもう一歩立ち入って考えてくれていれば、少し話の流れが変わったのではないだろうか…(夢みすぎ。)
  ラスト。…こういう、「せっかく両思いだと判って、これからってトキなのに!」っていうのは、やるせなくなりますね。 まぁ、この場合は「2人でいられなくなる」っていう理由もあるからだけど、 もし、弟があんなことをしないまま話の流れで両思いだと判っても、「倫理」だけの理由で同じ結末を選んだかねぇ…
  この姉弟はまだ一緒に暮らしていた幼年時代にすでにカナリの「姉v弟」っぷりだったので、 そのまま一緒に成長していても、いや、そうだったらむしろハッピーエンドになってたんじゃないかなぁ。
  雰囲気が、どよーんとした曇り空の話。
(こちら(2002/04/21(日)に、とても良い感想があります。)
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07
山椒大夫
森鴎外
角川書店
姉弟(実) ほのぼの
2
父を探していた母と幼い姉弟が、旅の途中でだまされて人買いに売られてしまう。
「安寿と厨子王」 私の姉v弟の原点。
  アニメまんが日本絵巻を絵と文章つきで本にした中に入っていたものを、小さい頃読んでいました。弟をかばって額に自ら焼印を押すお姉さんに、もうどきどきでした。(原作では2人とも焼印押されてしまいます;)
哀しすぎる。人身売買とか犯罪すぎ。ほんとやめてほしい。

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お姉さま〜!TT (お美しい…   ×配信終了しました…

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08
焚火の終わり
宮本輝
集英社
兄妹(?) らぶらぶ
4
亡くなった両親達の、秘められた過去。自分達は本当に兄妹なのか…?
  兄妹の「禁断」という関係におぼれていく2人。最後まで真実が判らない故に、ハッピーエンド。大人な兄妹小説です。
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09
マリア様がみてる
今野緒雪
集英社
姉弟(実) ほのぼの
11ヶ月
伝統あるカトリック校、私立リリアン女学園。
・高等部では、上級生が気に入った下級生と「姉妹(スール)」関係を結ぶ事が伝統になっています。
・高等部生徒会の会長は「紅薔薇」「黄薔薇」「白薔薇」と呼ばれる三人の生徒から成り立っており、 それぞれの「妹」は「(○薔薇の)つぼみ」と呼ばれ(、ゆくゆくはそのまま生徒会を継ぐことになり)ます。
主人公(当時高1)が憧れの上級生、紅薔薇のつぼみ(高2)と偶然をきっかけに「姉妹」関係になるところから話が始まり、 まあその生徒会あたりの人間関係を中心に進んでいくシリーズです。
この小説の読み方は、「話」ではなく、その「設定」を楽しむことにあります。

(↓この作品の世間一般での受け取られ方)
登場人物は、大雑把に分けると
1. 女子校―リリアン
2. (の隣にある、これまた伝統ある)男子校―花寺
3. 主人公の福沢姉弟(姉:祐巳=リリアン/弟:祐麒=花寺)

お嬢様女子高生達が「姉妹」(この作品では「恋人」と同義)になるということで、 同人界では男女関係なく百合の大ブーム。 一部のやおい大好きな人は「男子校」に焦点を。  というような作品になっています。

  友人がネタとして全巻持っていたので、私も「設定」を読んでいる感じで、 この「女子高内擬似恋愛小説」を読み進めていたのですが、ある時、気がついたのです。 これは、主人公と「お姉さま」のラブ話ではなく、 それを端から見守っている(苦悩している(←妄想))弟と、主人公(姉)の話なのだと!! (つまり、祥子v祐巳←祐麒。) なにぶんメインはリリアンの話なので、各巻に姉弟のからみが1ページあるかないかくらいの茨道ですが……(巻によって差が激しい。)でも!姉弟のからみがあれば、それはどうみても姉←弟が読み取れる書き方なのですよ〜!  世間で見られている、姉妹だの百合だのお姉さまがどうだの、そんな話じゃ、なかったのですよ! 実は!!
  この2人の特徴は、姉弟なのに、生まれが11ヶ月?違いなので学年は同じという事。 更に、2人ともそれぞれの学校で生徒会と、真面目姉弟。しかも、外見そっくりの仲良しさんv
こちら(2003/05/29日記)に詳しく萌え語りされています。
福沢姉弟同盟  20の質問  姉弟萌絵
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10
ルート225
藤野千夜
新潮文庫
姉弟(実) ほのぼの
明→暗 1
9月の夕方。少し帰りの遅い弟ダイゴ(中1)を公園に迎えに行ったエリ子(中2)。それだけのことだったのに。そのまま2人は、両親がいる元の家に戻れなくなってしまった…。
  この本は、外出先の電車の中など、いつもいる家を離れた場所で読んだ方がいいです。きっとその方が、5倍くらい話の楽しさを味わえると思います。
  姉の性格がかなり悪くて、弟に対する態度がひどいです。姉弟愛(ほのぼの)希望で読んでる身としては悲しくなるくらい。でも!その代わり、要点でビシッと姉弟愛を決めてくれる時の喜びは大きいです。「振り返れよ、ダイゴ。振り返って、ねえ、お姉ちゃん、やっぱりこわいからこのまま家に帰ろうよ、とか言えよ。ママたちにはもう会えなくてもいいから、ふたりでなんとか生きていこうよ、とか言ってみろよ。」(ジーンと嬉しかったので抜粋。)
  この2人には大学に入ったら家を出て、小さなアパートでも2人一緒に暮らして欲しい。その世界での結婚とかその先とか、そういうことをつきつめて考えたら、この姉弟は離れられない、2人一緒にいるしかないと思うのです…。

☆2005年3月に映画化。←トップページに仕掛けがあります。
(弟が…想像してたのと違う(笑) ていうか文庫表紙と全然違う。
予告見て、初めて題名の意味が判ったよ。

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11
その妹
武者小路実篤
いろいろ
兄妹(実) ほのぼの
明→暗 10
兄の広次は傷兵の中途失明者。妹の静子は兄の手助けをしている。兄妹二人の生活を守ろうと、兄は小説で身を立てることに懸けるが…。
1915年に書かれた戯曲。収録本
  戯曲なので、ほとんど台詞だけで構成されている=兄妹の会話が格段に多く長くなります! 兄妹愛を読み取れる内容が多くて嬉しいです。でも最初から兄妹愛がしっかりしていると、嬉しい反面これからどうなるんだろうと不安になりますね。しかも妹が美しいと分かってからはもう、悲劇臭が漂って…
作品内容は兄妹ですが、一番最初の「この一篇を亡き姉に捧ぐ」の一文から、作家の姉弟愛にも思いを馳せられます。
  映画あらすじが原作と違うけど、え、ハッピーエンド!?(嬉
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12
屋根裏部屋
シリーズ
V.C.アンドリュース
扶桑社
ミステリー文庫
兄妹(実) らぶらぶ
明? 3
陰湿な家系に翻弄される、兄妹の一生を書いた話。(全6巻)
・各話紹介と感想  (暫定)

  兄妹夫婦と一族の一大ドラマ。兄クリスは聡明な医者で人格者。妹キャシーは復讐に燃えるバレリーナ。兄妹とも超美形で金髪碧眼。主人公は妹です。ひたすら妹を愛し待ち続ける、兄の愛が絶品。 まずは衝撃の第1巻をどうぞ。

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13
幕間
長野まゆみ
集英社
姉弟(実) らぶらぶ
2
両親の離婚で別々に育ってきた姉弟が、劇で恋人役を演じることになる。
(集英社文庫『上海少年』収録)
  深沢橙子と上枝暁。姉弟愛ではなく一般愛寄りなんですが。弟に恋してしまった姉の行動力と嫉妬が書かれています。そういえば姉の激しい心情を姉視点で描いた話ってあまり見かけないなと思って紹介しました。ラストを明にしたけど、近い将来は暗になるのかな。 弟は黒。 この短編集に載ってる話は全部えろいよ。間接えろ!
(こちらに寸評)
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14
哀しい予感
吉本ばなな
角川書店
姉弟(義) なかよし
1
「私」と「おば」をつなぐ失われた記憶が解放される話。
過去の(人の)不幸の上に成り立っている今の幸せ。
  弥生と哲生。(と書いて、名前に共通点があることに今気付いた。萌)
姉:知らないで弟が好きだった。
弟:知っていて姉が好きだった。
(これには大きな差があるけど)お互いを好きなのに、もし姉が知らないままだったら、姉弟とも気持ちを伝えず恋人になることなくそのまま一生を過ごすはずだった。というのが書かれていて、それが哀しいなあと思いました。円満で幸せな家族。でも伝えられない恋心と、その状態に安堵してしまう姉弟。普通に別の人と恋人になり…
作中ではそうなることなくハッピーエンドになったので、だからこそこういうIFもあったんだよなあと思ってしまいました。
(作品の主題としての描かれ方は、姉→おば>弟。)
(こちらに、とても良い感想があります。)
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