ヴィーナスの生まれ変わりである美奈子(←びーなす、とも読める)がとても純粋で優しい人物として描かれています。
千矢ちゃんをそのまま具現化にした感じ。かなり好き (^ ^*)
毎回、デイモスは人間界の醜さを美奈子に見せつけるのですが、人間の汚いところを敏感に感じ取るデイモスは結局とても純粋ということを表していて、デイモスの何気にいい人ぶりがけっこう見所。(美奈子に対する一途さは本物ですし)
「白蝶の恋歌(エレジー)」というお話で、男の愛を得るためにまやかしの犠牲を払って男の愛を得る女性が出てくるのですが、その恋人たちの様子を見て、ヴィーナスが「こんな薄汚い愛なんていらない」と悲しむ場面が出てきます。それがとても生々しく、見ていて痛々しいです。
ヴィーナスの哀しい嫉妬が描かれており、兄がそれに対して「悪魔」的な対応をせず、あくまで純粋な気持ちで葛藤していて、その姿がさらに悲壮感を引き立たせています。
この作品は一話完結なのですが、兄妹ものがかなり出てきます。(普通のものも禁断のものもほのぼのも)
その中で、妹が兄を熱愛してしまい、兄の奥さんを殺そうとする話が出てくるのですが、(妹の片思い)、兄の痛々しい叫びとデイモスの声が最後に重なり、うまい結びだなあ、と感嘆しました。
全体を通して、なんだかこれって「兄v妹」、の「妹→兄」 向きのお話だなあと思いました。
理想の男性は兄である。兄であるけれど、いつかは妹は兄のもとを去らなければいけないし、甘えていいんだよと手を差し出してくる兄の手を撥ね退けなければならない。それは辛いことだけれど、いつかは通らなければいけない道なんだ、、、、みたいな。
兄と妹で結ばれたカップルは死んでます。(→いつかは兄のもとを去らなければいけないのに去らないのはすなわち死を意味している[ありえないこと、という教訓?] )
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